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メディア紹介・ニュース

  • (2016年03月30日) メディア紹介
  • (2015年03月20日) 中小に余力はない 平成27年3月19日 中日新聞経済面 北見昌朗のオピニオン
  • (2015年03月19日) 春闘、中小は「賃上げほぼ0円」格差拡大
  • (2015年02月24日) <広がるか賃上げ 2015年春闘> 若手確保へ初任給アップ 中小土木建設 大手に苦渋の対抗
  • (2015年02月05日) <広がるか賃上げ 2015年春闘> 大手と値上げ交渉を
  • (2014年12月19日) 

    実力もやる気もあるのに、突然お払い箱に

    最近、「こころの定年」なる言葉をよく耳にする。

    定年間近の年齢になり、「誰の役に立っているのか」「このまま時間が流れていっていいのだろうか」などと社内での自分の価値に疑問を抱き、自信を失いかけている状況を言う。

    サラリーマンがある程度の年齢になると、会社でどこまで昇進できるのか、先が見える。50代の後半になると、定年まであと数年ということになり、指折り数えてしまう向きもある。ましてや60代になると、「これで人生も終わった」などという消極的な言葉も出がちだ。このように中高年の社員のやる気を削ぐことは、会社にとっても大きな損失のはずだ。そこで企業の中高年の活性化策を考えてみたい。

    【55歳の役職定年を機に居場所を見失う人々】

    かくいう著者も昭和34年生まれで、間もなく56歳になる中高年である。サラリーマン時代に親しかった同僚は、定年を数年後に控えている者が少なくない。彼らとは年に1度飲む機会があるのだが、その多くは元気がない。その理由は、「役職定年制」という制度の影響だ。

    役職定年制、略して「役定」は、50代にして管理職から降ろされることである。

    課長・部長・課長と呼ばれていた人が一夜にしてヒラになり、参事など意味不明な肩書きをもらうことになる。

    管理職から降りたといっても、実際にやる仕事は従前とあまり変わらない場合が多い。責任の大きさも変わらない。変わるのは給与の方で、ガタッと落ちるのがフツーだ。

    このように「役定」を迎えた中高年サラリーマンは、役員を除いて、仮に能力が落ちていなかったとしても、年齢という壁に阻まれて、ドスンと落とされてしまう。

    年齢という基準を作って、それに達した社員をヒラに落とす仕組みは、会社にとって有益な制度になっているのだろうか? 現代の50代というのは肉体年齢や精神年齢の個人差はあるものの、元気な人ならば、まだまだ能力発揮の余地があるはずだ。

    特にホワイトカラーは、肉体労働をしているわけではないので、50代から能力が落ちるわけではない。逆に、脂が乗り切っている人の方も多いだろう。私がコンサルティングしている企業でも、彼らの底力をしっかり活用し、業績につなげるケースは多い。

    とはいえ、第一生命主催の「サラリーマン川柳」には、こんなのがあった。

    「定年前 仲人した男(こ)の 部下になり」(淋人)

    まさに50代のサラリーマンの悲哀を込めた川柳で、複雑な心境が込められている気がするので、少しも笑えない。当の本人にしてみれば、「もう自分は会社にとって要らない存在かも……」という気持ちにさせられているのだろう。

    元管理職が「嘱託さん」と呼ばれる日

    【60歳の定年を機に「嘱託」になり身も心も落ちてしまう人々】

    65歳までの継続雇用が法で義務化されたが、それでも多くの企業は60歳定年のままだし、それ以降の雇用は「嘱託」という立場が一般的だ。給与は現役社員の7割から5割程度まで落ちることが多い。

    60代の継続雇用は、妻にとっては有り難い制度であるようで、サラ川にはこんな句まである。

    「定年の 延長決まり 妻元気」(うつ蝉)

    このように家庭では、歓迎される継続雇用だが、当の本人の会社での居心地は必ずしも良いとは限らない。会社では、定年後の人のことを「嘱託」と呼ぶところが多い。このように「嘱託」と呼ばれてしまうと、当の本人は「あなたには期待していないよ」と言われたような気持ちになるだろう。

    そもそも、この「嘱託」とは、どんな意味なのだろうか? 辞書をひいてみたら、次のように載っていた。

    「仕事を頼んで任せること。委嘱」「正式の雇用関係や任命によらないで、ある業務に従事することを依頼すること。また、その依頼された人やその身分」

    わかったような、わからないような解説である。仮に、若い社員から「嘱託さん」と呼ばれたら、どんな気分になるかと想像して欲しい。良い気分になる人は皆無のはずだ。

    話は変わるが、そもそも年齢に対して持つイメージは、時代とともに随分変化してきたと思う。それを感じさせるのはサザエさんだ。お父さんの波平は、54歳という年齢で、現役の社員である。

    だが、現代人の感覚からして、波平が54歳に見えるだろうか? NOだと思う。妻のフネさんが50歳だとは到底思えないだろう。サザエさんにしても24歳という若さだ。その年齢でタラちゃんがいるのだから、20歳そこそこで子供を産んだことになる。マスオさんだって28歳には見えない。

    サザエさんという漫画は昭和20年代に誕生した。だから、その時代では、そんな感覚だったのだ。戦後60年以上経たのだから、もう年齢に対する感覚を一新しても良いのではなかろうか? イマドキの60代は、決して老け込んでいない。まして50代はバリバリのはずだ。

    60代を「第2現役社員」と呼べ

    中高年の活性化は、企業にとり、大きな課題になっていると想像する。会社の就業規則は、昔ながらの感覚を引きずっているものが多いので、それを一新することを提案したい。

    【提案1】年齢で一律に引きずり落とす「役職定年制」を廃止する
    幹部は年齢ではなく、能力によって抜擢されるべきだ。給与についても、幹部として続行する者には、更に賃上げがあっても良い。

    【提案2】60代のことを「第2現役社員」と呼ぶ
    これからは年金制度のことを考えても、65歳まで勤務するほかない時代である。だから当の本人も自覚を持って勤務してもらいたい。そこで60代の従業員に対する呼び方も変更したい。「第2現役社員」というネーミングはいかがだろうか??「嘱託」と呼ばれるよりも良いと思う。

    【提案3】60代になっても年金を意識せず働く
    60代の給与は、年金を併給することを前提にして決定されていることが多い。だから一般的には、月額20万円前後になっているケースが多い。しかしながら、年金は徐々に65歳まで支給されなくなるのだから、最初に年金ありきという感覚は捨て去っても良いのではないかと思う。

    働きぶりが現役社員と何ら変わらない場合は、会社は給与もやる気が出る金額にすれば良い。例えば、30万円でも、40万円でも良いのではないか。会社にしてみれば、従業員に払った給与以上の働きをしてくれれば良いはずだ。

    北見昌朗 きたみ・まさお
    歴史に学ぶ賃金コンサルタント
    経済記者を経て独立、(株)北見式賃金研究所を設立して所長に就任。名古屋で中小企業向けに昇給や賞与の提案を行う。「ズバリ! 実在賃金」という独自の賃金調査を行う。
    http://www.zubari-tingin.com/

  • (2014年10月08日) 

    2人以上世帯約3000万のうち、サンプル数はたった6363世帯

    新聞を読んでいると、定期的に「家計調査」に関する記事が出てくる。ご存じの通り総務省が毎年行っているもので、毎年のように「1世帯あたりの平均貯蓄額は……」というタイトルが立つ。

    「6363」

    いきなり意味不明な数字を載せた。この数字は何だと想像するだろうか。実はこれ、「家計調査」のサンプル数である。総務省のサイトには2012年の家計調査結果が載っていて、その中に貯蓄に関するデータがあるのだが、「サンプル数(2人以上の世帯の集計世帯数)」がこの6363だったのだ。

    著者は、データを見ながら気になった。

    この「2人以上の世帯の集計世帯数」の単位は何だろうか? 「1千件」だろうか? 表に単位がなかったので、総務省の担当部署に電話を入れてみた。

    「あのー、集計世帯数が載っていますが、これは単位は何ですか? 1千件ですか?」

    それに対して総務省の女性担当者は「いいえ、件です」と答えた。

    とまどった著者は思わず叫んだ。

    「エッ、単位が件だということは、サンプル数が6363件しかないということですか? そんなに少ないの?」

    すると、総務省の女性担当者は言い訳めいたことを言う。

    「実は家計調査のサンプルは少ないのです。なにぶん調査にご協力頂けない場合もございますので……」

    著者は、これには心底驚いた。

    新聞紙上を賑わす家計調査とはこんなものだったのかと。日本には、どれだけの世帯があるのか知らないが、人口が1億2000万人なのだから数千万件はあるはずだ(編集部注:国立社会保障・人口問題研究所によれば、2010年時点で2人以上の核家族世帯総数は約3000万世帯)。その中の「6363件」なのである。つまり、家計調査は実際の0.02%の世帯に聞いて、その数字(結果)があたかも全体を表しているようにまとめられたもの、ということになる。

    主な回答者は「収入や貯蓄が多い人」

    総務省はこの調査対象をどのように選んだのだろうか?

    サイトには色々な解説が載っているが、意味がわからない。そこで友人や知人に訊いてみた。「あなたは総務省の家計調査に協力してアンケートに答えたことがあるか?」と。すると、誰もがNOだと答えた。中には「国勢調査なら答えたけど、家計調査なんて聞いたこともない」という返事さえあった。

    家計調査というものは、そもそも何を調べるのだろうか?

    調査票はネットで「家計調査 調査票」と検索すればその情報が出てきた。その内容は膨大な質問の山だった。

    「電気料金は? 都市ガス料金は? プロパンガス料金は? 現金の収入は? 収入の種類は? 現金の支出は? 支出の品目は? クレジットカードによる買い物は?」

    まあ、微に入り細に入る内容で、書き込もうと思ったら、よほどの時間を覚悟する必要がある。

    ここで素朴な疑問が沸く。こんな調査票が送られてきても、協力する人がどれだけいるだろうか?

    多くの人は面倒臭がることだろう。プライバシーの侵害だという不満も出かねない。筆者が推測するに、この調査に協力する人は収入や貯蓄に自信のある人が中心になってしまうのではなかろうか。また、収入に自信のない人は辞退してしまうことが多いのではないか。

    統計学上は6363件というサンプル数でも調査が成立するということかもしれないが、あまりに大ざっぱだ。このように少ないサンプル数のデータで、果たして「日本の現実」がわかるのだろうか。

    最大多数派は「貯蓄100万円未満」

    貯蓄現在高階級別世帯分布

    データの分析と解説にも疑問がある。家計調査を見ると、貯蓄残高(貯蓄現在高?負債現在高)は、金額別に区分して世帯数が集計されている。下は100万円未満から、上は4000万円以上までだ。その2人以上の世帯数の平均貯蓄高が1658万円になるらしい。

    だが、データをじっくり見ていると、最大多数派は「貯蓄100万円未満」であり、それが10.6%を占めている。「100万円?200万円未満」が5.9%で、「200万円?300万円未満」が5.6%で、合計すれば22.1%が300万円未満である。この一方で「貯蓄2000万円以上」(27.3%)も少なからずいる。つまり、貯蓄が少ない人と多い人とで極端に二分されているのだ。

    このような分布になっている場合、「平均値」を出すとどうなるのだろうか?「平均値」は「合計÷人数」ということで出すので、大きい額に引っ張られて高めの数字が出てしまう。それが平均貯蓄高が1658万円になるのだ。しかも、前述のように、家計調査は2人以上の全世帯の0.02%にしか聞いていない代物なのだ。

    著者は、自分自身でも「ズバリ! 実在賃金」という賃金調査を行っている。中小企業の賃金実態を、賃金明細を元にチェックして、調査研究をしている。その経験から言わせてもらえば、大事なのは「平均値」ではなく「分布」だと考える。「多数派の人がいくらもらっているのか?」が大事だからだ。

    この家計調査のデータを見た場合、著者ならば「最大多数派は貯蓄100万円未満」であることに着目し、そこをポイントにするだろう。その方が、人々の実感に近いからだ。

    ここまでの解説で、家計調査というものがいかに参考にならないかを理解して頂けたと思う。はっきり申し上げて、こんなもので「日本の現実」を正しく判断することはできない。

    こんな家計調査は、著者に言わせれば“お役所仕事の見本”だ。言ってみれば、事業のために事業をしているようなものだ。もっと言えば予算消化のための事業である。

    新聞の記事は役人のレジュメの引き写し

    だが、この家計調査をまともに信じ込んでいる人がいる。それは大手新聞社の新聞記者だ。新聞記者たちは、お役所の発表には何の疑念も持たないらしい。だから平気でこんな記事を書いている。

    「総務省が発表した2012年の家計調査(速報)によると、1世帯(2人以上)あたりの貯蓄の平均は1658万円で、前年より6万円減少した。昨秋までの株式市場低迷で、貯蓄のうち有価証券(株式など)の額が減ったことが響いた。貯蓄のある世帯のうち、世帯数で全体の真ん中に位置する世帯の残高(中央値)は1001万円で、前年より10万円増えた。高額貯蓄世帯の影響を受けやすい平均値に比べ、中央値は家計の実感に近いとされる。一方、負債の平均は469万円で、7万円増えた。東日本大震災の影響で住宅ローンが減少した前年の反動で増加に転じた。負債のある世帯の中央値は862万円で、前年より26万円減った」(読売 2013年5月27日)

    この記事を読んでも、最大多数派は「貯蓄100万円未満」であることは一切触れられていない。見出しにあるのは「世帯貯蓄平均1658万円 総務省家計調査」という文字だ。記事の内容は、総務省の役人が書いたレジュメの引き写しだ。この記事では日本社会の現実を表しているとは言い難いだろう。

    そもそも、貯蓄がこんなに多額にあったのなら、日本は金満国家であり、どこにもワーキングプアはいないはずだ。

    新聞記者は日頃、記者クラブというところに詰めている。そこには役所や大手企業が発表にやって来る。その発表内容を記事にすることを、新聞記者の世界では「発表モノ」という。毎日発表モノを記事にすることに追われている記者もいる。だから経済面の多くが今では発表モノで占められるようになった。

    発表モノは、当然のことながら、発表する側のニーズがある。記事に採り上げて欲しいし、記事なるなら、こう書いて欲しいというニーズである。だから、発表モノばかり増えてしまうと、紙面が発表モノで埋め尽くされて、結果として情報操作されたような状態になってしまう。

    今年はアベノミクスということで、ベアとか賃上げが話題になった。政府は「企業の何割もベアを実施した」という発表を行うことで、政権に対する支持率を維持するのに懸命だった。だから新聞には連日のように賃上げ報道が載った。

    だが、多くの人はその記事を読みながらピンと来なかったのではなかろうか。大多数の人はベアの恩恵に浴していないので好景気の実感が沸かないに違いない(過去記事:4割が「賞与ほぼ0円」なのに“上昇”報道の不可解、参照 http://president.jp/articles/-/13256)。

    「新聞は社会の木鐸(ぼくたく)たれ」という言葉がある。 木鐸とは、世人に警告を発し教え導く人のことだ。その木鐸たる新聞記者が、あたかも役人の下請けになって、その意のままに記事を書くことだけは止めてもらいたい。新聞記者だったら、ナマの情報を足で稼いで欲しい。

    北見昌朗 きたみ・まさお
    歴史に学ぶ賃金コンサルタント
    経済記者を経て独立、(株)北見式賃金研究所を設立して所長に就任。名古屋で中小企業向けに昇給や賞与の提案を行う。「ズバリ! 実在賃金」という独自の賃金調査を行う。
    http://www.zubari-tingin.com/

  • (2014年08月20日) 

    結局、夏のボーナスは増えたのか減ったのか

    夏のボーナスは増えた?減った?

    政府は「アベノミクスのおかげで民間給与は上昇している」といったPRに躍起だが、ところで皆さん、2014年の夏の賞与は増えただろうか、それとも減っただろうか。

    もし新聞報道が正しかったとすれば、ニッコリ笑って「増えた」と手が上がる人も多いはずだ。

    政府の発表と、それを真に受けて報道する新聞社を尻目に、ヤフーが面白い調査をやってくれた。「夏のボーナスは増えた? 減った?」だ。これは2014年の8月に実施されたもので、6万2122人が回答した。

    第1位は何だったかといえば、なんと「ボーナスがない」だ。

    「ボーナスがない」というのは30.8%あり、1万9188人が回答した。第2位は「減った」で、26.9%、次に「変わらない」が22.5%と続いた。期待されていた答え(?)である「増えた」は19.8%で、もっとも少数派だった。

    長年、給与や賞与を研究してきた筆者にすれば、「ボーナスがない」という回答が1位になったことは何ら違和感がない。

    給与や賞与等に関するデータは種々あるが、その中で一番信憑性の高いものは何か?

    著者は2つ挙げたい。1つ目は国税庁の民間給与実態調査だ。これは5000万人(非正規も含む)以上いる民間給与所得者の年収を調査したもの。年末調整の数字だから正確である。

    2つ目に挙げたいのは、厚生年金の事業年報だ。これは厚生年金の保険料を徴収した際のデータだから、これ以上正確なものはない。賞与から保険料を徴収したのは2003年からだから、それ以降の推移がわかる。最新のデータは2011年だ。

    実態は、賞与ゼロの男性社員が26%

    年間標準賞与額別 厚生年金被保険者人数割合グラフ

    厚生年金の被保険者は、2011年で3400万人いた。それを性別にチェックしてみた。

    男性は「賞与ゼロ」だった人が2003年に21%だったが、2011年には26%になった。実に600万人近い男性がゼロだったことがわかる。「年間賞与30万円未満」だった人は、2003年にも2011年にも13%だった。

    「年間賞与30万円未満」というのは、もはや賞与と呼ぶに値しないかもしれない。それは「寸志」と言ってもいいレベルだ。だから「賞与ゼロ+寸志」という人は、26%+13%ということで、実に4割を占めるまでになっている。

    一方、「年間賞与200万円以上」は約1割いて、安定した賞与をもらっている。

    厚生年金の被保険者の中には非正規従業員も含まれている。被保険者の何割が非正規なのか不明だが、非正規といっても実際には正規とあまり変わらないくらい勤務している人が多いはず。法的には正規従業員の4分3以上の勤務時間になれば厚生年金などへの加入義務が生じる。

    それでは女性はどうだったか。「賞与ゼロ」だった人が2003年に27%だったが、2011年には33%になった。「年間賞与200万円以上」というのは1%しかいない。

    このようなデータを解説すると、では日頃の「みなさん、ボーナス増えましたよね!」的な能天気な新聞報道はいったい何なのか? という疑問が沸くことだろう。

    著者にいわせれば、民間の給与や賞与に関する記事は、実はほとんど信用できない代物で、ウソだらけである。

    そもそも賞与を調査して発表しているところはどこか。経団連・経営者協会、人事院あたりが思い浮かぶことだろう。だが、それらの調査内容はブラックボックスで、他人が内容を検証できないとの指摘もある。

    だから「恣意的な内容で、実は世間を欺くための情報操作に満ちている」と批判されても仕方がないのではないか。

    例えば、こんな記事がある。「経団連は31日、大手企業の今夏のボーナス(賞与・一時金)妥結額の最終集計を発表した。回答した133社の平均額は86万7731円で、昨夏より7.19%増と、2年連続で増えた。伸び率はバブル期の1990年(8.36%)以来の高さとなった。調査は主要20業種240社が対象で、うち16業種の133社から集計可能な回答があった。」(読売 2014年8月1日)

    筆者は、この記事を読んで「そもそも経団連って何だ?」と感じた。少なくとも周囲には経団連の加盟企業なんて見当たらないので、ピンと来ないのだ。

    そこで経団連に電話をしてみた。

    「賞与アップした」ことにしたい理由

    筆者はアンケートに回答した会社を教えて欲しいと言ったが、回答は「賞与に関する調査対象の企業は非公開」だった。経団連のHPには現在、企業会員が公開されているが(筆者の調べでは公開は最近になってからのこと)、どうやらボーナス調査対象はその企業会員すべてではなく、ごく一部のようだ。結局のところ筆者にしてみれば「経団連なんて、雲の上の存在」でしかない。一部の大手企業が入っていることは想像できるが、実感が沸かない存在なのだ。

    「雲の上の存在」は各地方にもある。筆者の地元ではこんな記事が載った。

    「愛知県経営者協会は5日、会員企業の2014年夏季賞与の調査結果を発表した。妥結平均は前年比5.08%増の59万6825円(基準内賃金の2.20か月分)で、リーマン・ショック前の08年の約60万円に迫る水準となった。一方、会員企業を対象とした14年春闘の調査では、基本給を一律に引き上げるベースアップを実施したのは約5割だった。」(読売 2014年8月6日)

    こんな記事は読めば読むほど、いったいどこを調査したのかと首を傾げてしまう。経団連とか、経営者協会とかいう団体は、なぜこうも高い金額を発表したがるのか?

    筆者は考えて合点がいった。

    それらの団体は労働組合を意識しているのではないか。経営者団体は「こんなに高い給与や賞与を払っている。だから、もうこれ以上の引き上げは無理」だと労組に言いたい。そのために新聞発表をしているのだ。

    一方の労組は職務上、「日本企業は労働分配率が低過ぎる」と経営者に迫ると同時に、組合員に対しては「労使交渉の成果として高い賃上げを獲得できた」とPRしたい。

    だから、連合も負けじとばかりに高い金額を誇らしげに発表する。連合サイトを見ると「2014春季生活闘争最終集計。賃上げ(平均方式)2%を上回る、一時金水準は2008年水準に回復。一時金は、年間分の月数回答は4.78月(昨年同時期比+0.29月)、額回答は1,539,022円(昨年同時期比+87,625円)といずれも増額となっている」と載っている。

    当事者には失礼ながら、ニュースの発表者である経団連にしても、連合にしても存在感が低過ぎる。

    そんな企業で勤務している社員は、日本の5000万人の勤労者の中で何%いるというのか! ごく一部のエリートの給与や賞与が上がったところで、全体の底上げにつながるのか!

    これらのニュースソースの発表を鵜呑みにして報道する新聞社の見識も疑いたい。

    官公庁や大手の発表をそのまま記事にするだけだったら、新聞記者などいらない。新聞記者だったら、自分の足で情報を得るという努力をして欲しい。

    新聞を賑わす賞与の記事が実態を表していないことを、一般の人々は実感として感じている。だから冒頭のヤフーのアンケートには、以下のようなコメントが山のように寄せられているのだ。

    「新聞報道では8万円増えたとあるが、どこの世界だろう」

    「確かにいつも感じています。平均的世帯の収入例とか貯蓄額とかあれを見るたび心が折れる」

    「ボーナスが増えているのは、架空のアベノミクスを支えるため政府に協力している、一部の大企業だけ。それも夏までだろう」

    「企業の支給額は、ちょっと上がっても、税金や保険料などが天引き額も上がっているから、実質下がっていることも」

    北見昌朗 きたみ・まさお
    歴史に学ぶ賃金コンサルタント
    名古屋の北見式賃金研究所長。これまでに就業規則を500社以上作成した経験から「労基法は昭和22年制定であり現代に合わない部分が多過ぎる」と持論。
    http://www.syugyokisoku.net/

  • (2014年08月06日) 

    有休買取に8割が賛成している

    勤務時間中は「禁煙」に賛成?反対?

    安倍晋三首相は、サラリーマンの年収を増やすことに相変わらず躍起である。

    その年収アップの1つの方法として、私が注目しているのは年次有給休暇(以下、有休)の買取の解禁だ。ヤフーが2013年11月に行ったアンケートでは、実に83%が買取に賛成した。ここまで賛成派が多いのならば、規制緩和の1つとして前向きに検討をすべきではなかろうか。そこで、賛否の意見を集めてみた。

    まずは【買取賛成派】から。3人に聞いた。

    「多忙で有休をろくに取得できないので、換金したい」(37歳・商社・男性)

    「うちの会社は不平等があり過ぎる。私が所属する部は人手不足で有休がまるで消化できない。それなのに他の部は、きちんと全部消化できているという。同じ会社なのに、なぜ違いがあるのか? せめて年末にでも残った有休を買い取って清算して欲しい。その方が平等だ」

    「夫をただ単に休ませる日はいらない。おカネがほしい」(46歳・専業主婦)

    「うちの亭主(56歳・メーカー)ったら、嫌になってくる。最近、有休とかいって頻繁に休んで家にいる。家にいられたら、食事を作ることになる。これでは、私の時間がなくなるじゃないの! 家庭サービスといわれても、子供が成人すると、そんな必要はない。亭主元気で留守がいいと言うのだから、どうか毎日会社に行って欲しい。有休が残ったら、会社がそれを買い取って欲しい。それが妻としてのホンネです」

    「有休をもっと社員の身近なものにすれば、欠勤率が下げられる」(58歳・経営者・男性)

    「最近、うちの会社は出勤率が下がって困っている。従業員の間では『有休を取りにくい社風がある』とかで、病気を理由にして当日の朝ドタキャンで休む人がいる。いつも決まった人物で、必ず月に1日以上"病気"になる。翌日元気そうな顔で出社するのだから、どうみても仮病だろう。そんなドタキャンをされるぐらいなら前もって有休を申し出て頂いた方が会社の運営が楽だ」

    少数派・買取反対の人々の言い分

    一方、【買取反対派】はどう答えたのか。

    「有休分のおカネより、夫の家事参加を望む」(32歳・パート・女性)

    「最近、主人は有休を全然取ってくれません。会社が忙しいと言って、取らせてくれないのだとか。うちには小さな子供(3歳)がいて、私も働いているのだから育児を均等に分担してほしい。有休は労働者の権利なのだから全部堂々と使って、子供の面倒をみてほしい。有休をおカネで買い取るなんて案が認められたら、有休を取る人がますます減って、私のような立場の女性が苦しむことになる」

    「有休を完全消化するのは当たり前です」(29歳・公務員・男性)

    「私は市バスの運転手です。有休は入社と同時に20日与えられますが、これまでそれを全部消化してきました。勤務表は有休を全部消化するように組み込まれているので、全員が当年度に100%消化しています。それなら病気したらどうなるのかといえば、別に病気休暇という制度が別にある。もちろん給与付きです。有休をおカネで買い取るなんて案があるらしいけど、民間企業も、公務員と同じように100%消化すれば良いのです。買取の必要なんてありません」

    以上、色々な立場に立って有休買取の是非を論じてみた。有休取得率(厚生労働省)を見ると、企業規模が1000人以上は56.5%、300?999人が47.1%、100?299人が44%、30?99人が42.2%となっており、大企業ほど取得率が高く、中小企業は低くなっている。

    さて、そもそも法律的には有休買取は許されるのか。

    月20日勤務で月収40万円なら有休1日分は2万円

    最初に基本的なことをおさらいしよう。有休は勤務年数に応じて付与される。付与日数は、入社半年目で10日だが、徐々に増えていき、最高で20日になる。時効が2年間だから、それ以降は消滅してしまう。つまり捨ててしまうことになるのだ。

    そして、有休の買取は、基本的に法律で禁止されている。なぜなら、有休は心身共にリフレッシュするのが本来の目的で、買取はその主旨にそぐわないと考えられているからだ。ただし、時効になった有休の買取は禁止されていない。また、退職時に残った有休の買取も禁じられていない。

    条件付きで買取OKの場合があるのだ。では、買取はいくらぐらいが妥当なのか。

    時効で消えた有休買取の場合、労働基準法は関係ないので、買取価格をいくらにするかは会社の自由だ。多くの会社のコンサルティングをしている私は個人的には「所定の日額」を設定すればいいのではないかと考えている。

    給与の額は人それぞれだから単価は異なる。仮に勤務日数が月間20日間の会社があって、月額20万円の給与の人だったら1日1万円だ。同様に、月額40万円の給与なら1日2万円だ。このような単価設定にすれば、わかりやすいし、社員に不平等感も生まれないのではないか。つまり、後者の例でいえば、時効になった有休の日数が20日間だとすると、40万円がボーナス的な“臨時収入”となる計算になる。

    仮に、買取が解禁されてもこの「日額」ベースで買取額を算出すればいいだろう。

    繰り返すが、有休に対する意見やニーズは、立場によって異なるものだ。経営者側には、有休の取得率を上げる努力が求められるだろうが、それでも現実的には取得率は個人によって差が生じるもの。そこで、有休の買取を思い切って全面的に解禁し、休みが欲しい人には年休を与え、おカネが欲しい人にはおカネを与えた方が現実的だと私は考えている。

    北見昌朗 きたみ・まさお
    歴史に学ぶ賃金コンサルタント
    名古屋の北見式賃金研究所長。これまでに就業規則を500社以上作成した経験から「労基法は昭和22年制定であり現代に合わない部分が多過ぎる」と持論。
    http://www.syugyokisoku.net/

  • (2014年07月24日) タバコ部屋の面々は「年35万の給料泥棒」許せるか
  • (2014年06月12日) 

    16年ぶりの高水準賃上げは、大手のエリート・サラリーマンだけ

    政府は今春、アベノミクスによる景気回復を国民に実感してもらおうと、企業に対してベアを要請しました。閣僚の中には「賃上げできなかったらアベノミクスは失敗」だと発言する者もいました。

    久しぶりに話題が多かった春闘ですが、新聞報道によると、政府の要請に応じて大手企業は積極的に賃上げをしたようです。経団連の第1次集計によると、定期昇給とベースアップ(ベア)などを合わせた月額の賃上げ額は平均7697円。16年ぶりに7000円超になったそうです(2014年4月16日発表)。また、連合も例年を大幅に上回った賃上げを獲得したと発表しています。

    しかし、水を差すようですが、このような新聞報道は鵜呑みにはできません。

    日本には多くの企業がありますが、その中で経団連に加入しているのはごく少数の大企業だけです(第1次集計は東証1部上場で従業員500人以上の企業41社が対象)。労組にしても、組織率が低下して現在は17.7%(厚生労働省調査)。つまり、「ベア」や「賃上げ」の実現は、一部の“大手企業のエリート・サラリーマン”に限定された話なのです。

    国税庁の統計によると、民間サラリーマンは5400万人います。その年収はここ数年、ほぼ毎年のように落ちてきました。統計を細かくみると、減収した人の多くは中小企業に勤務していたり、非正規雇用だったりします。私は、サラリーマンの7割以上を占めるといわれる中小企業の社員の給与や、非正規従業員の給与までがしっかり上がらない限り、全体の底上げになったとは言えないと考えています。

    4月、私が代表を務める北見式賃金研究所では、愛知県下に本社がある顧客企業(従業員数300人以下の中小企業34社)の3504人(男性2880人、女性624人)に賃上げに関する調査をしました。

    果たして基本給は、昇給前と昇給後で、どう変わったか(諸手当の増減は対象外)。

    まずは昇給の有無を、会社単位および従業員単位の双方で調べました。結果は次の通りです。

    中小企業でベアを受けたのはたった1割

    【会社単位】
      ベアあり*…9%
      定昇のみ**…85%
      昇給なし…6%
      減給…0%
     *賃金の一律の底上げ
     **1年間勤務したことによる昇給

    【従業員単位】
      ベアあり…14%
      定昇のみ…72%
      昇給なし…13%
      減給…1%

    このように実際にベアを受けたのは、従業員のせいぜい1割ちょっとにすぎないことがわかりました。1割ちょっとです。定期昇給のみが大多数で、これでは景気回復の恩恵が浸透しているとは到底言えません。

    また、昇給額も調べました。

    基本給?昇給の実態【一般男子?30歳代】

    昇給額の相場は、「中位数」という基準で判断しました。中位数とは、上から順番に並べた場合のど真ん中の人のことを意味します。それは「平均値」とは少し違います。

    「昇給の平均値」を出す場合は、一般的に「昇給のあった人の平均値」を出しますので、そこには「昇給のなかった人」は除外されてしまいます。これに対して中位数は「昇給がなかった人」まで含めた分布図を作るので、文字通りど真ん中の人のことを指すわけです。

    最初に「男性」全体の昇給(ベア+定昇)を見てみると中位数は3700円(1.6%の賃上げ)でした。ただし、分布図を見てみると減給の人が2%いて、昇給が0円だった人も13%いたのがわかります。

    次に、この男性の昇給を「年代別」に見てみましょう。

    すると、大きな差が生じていることがわかります。10代・20代の昇給の中位数は4600円(2.2%)でした。30代のそれも4500円と健闘しました。

    賃上げの非情な年代別格差、ベテラン社員はつらいよ

    基本給?昇給の実態【一般男子?50歳代】

    しかしながら40代は3000円(1.9%)に落ち、50代となるとさらに1000円(0.3%)にまで落ち込んでしまいました。しかも、昇給0だった人が37%を占めて最多層になっているのです。

    中小企業は最近求人難に陥っていますので、若手の確保・定着に苦労しており、初任給を引き上げるなど多めに昇給したことがわかります。そうした若者重視の賃上げの影響か、中高年には渋かったようです。

    賃上げされた企業の率自体、大手企業に比べれば中小企業はかなり低い上に、年代別に見ると、こうした格差があることも明るみに出たのです。

    この「配分格差」は何を示唆しているのでしょうか。

    私は来年以降、仮に賃上げがあったとしても「若者優遇、ベテラン層冷遇」という図式が継続される可能性があると考えます。

    なお、「女性」の昇給は3800円(1.9%の賃上げ)でした。ただし、昇給が0だった人も9%いました。50代の女性の最大多数は昇給0でした。

    大手企業は業績を上げていますが、その一方で、取引先の中小企業に対して価格の引き下げをしているとの情報もしばしば耳にします。そうやって大手が中小から収奪することで、業績を上げるという形は正しいとはいえず、格差社会を助長させかねません。

    こうした弱肉強食のような関係がまかり通った結果、大手の多くが賃上げするけれど、中小はごくわずかしか賃上げできず、しかもベテラン層がしわ寄せを食うというのであれば、それはあまりに残酷で残念な結果と言わざるをえません。

    2014年は、物価が上がりました。消費税も上がりました。電気代も上がりました。社会保険料だってじわじわと上がっています。世の中は、給与にもいよいよアベノミクス効果が出始めた、といった好意的な受け止め方をする向きが多いのかもしれません。

    しかし、私にはサラリーマンの大多数を占める中小企業に勤務する庶民の暮らしは、むしろ楽な方向に向かってはいないと感じています。

    北見昌朗 きたみ・まさお
    歴史に学ぶ賃金コンサルタント
    昭和34年生まれ。名古屋市出身。(株)北見式賃金研究所代表。中小企業の賃金を実態調査した「ズバリ! 実在賃金」で定評がある。http://www.tin-age.com/

  • (2014年06月05日) 

    家族手当を「出さない」企業のほうが多くなった

    東京都の「中小企業の賃金・退職金事情」を見ると、「家族手当を支給している」企業の率は、約30年前の1982年は83%だったが、2002年72%、2007年64%、2013年56%と年々下がってきている。

    景気低迷や給与の成果主義移行などに伴い、家族手当や住宅手当など諸手当を廃止する企業の動きは止まりそうもない。

    家族手当の歴史を紐解くと、その始まりは大正時代となっており、その後徐々に導入する企業が増えた。昭和時代になると、戦時色が強まって「産めよ、増やせよ」という国策のもとに、政府が民間企業の賃金体系まで統制し、家族手当の支給を民間企業に義務付けることまで行った。

    そうした経緯のなかで戦後になっても多くの企業が家族手当を支給し、いってみれば日本的な給与制度の象徴のような存在となった。が、今、その象徴が失われつつある……。

    そこで、さまざまな立場の人に話を聞くと、「家族手当」という制度には賛否両論あり、その議論が一部でかなりヒートアップしていることが分かった。

    例えば、同じ30代男性社員でも、結婚しているか否かで言い分は180度異なる。

    恩恵ゼロの独身者と、夫が「中流」の世帯の妻は、家族手当に大反対!

    バトル1 30代男性会社員編

    【賛成】(既婚)
    「結婚すれば生活費が上がるのは当然。もし子供が生まれればますますお金が必要になる。会社は今後も家族手当を出して欲しい。少子高齢化は国家的な課題。会社も家族手当を増額して、子供を産みやすい環境にして欲しい」

    【反対】(未婚)
    「結婚していると家族手当が支給されるが、その金額が小さくない。ウチの会社の場合、扶養家族がいると、配偶者には月額1万円、子供には1人8000円出る。配偶者+子供2人の場合は合計で月額26000円になり、年間で31万2000円になる(企業の規定による)。年間31万円といえば、若手だと基本給の1ヶ月分以上になる。つまり家族手当があると、給与が13ヶ月分以上になるのだ。自分を含め社内の30代の男性の半分以上が独身で、このまま独身で生涯過ごすかもしれない。あまりに不公平な給与制度であり、手当制度だ。そもそも扶養家族の有無なんて、仕事とは何の関係もない。そこで格差を付けるのは意味がないし差別だ。廃止を求めたい」

    独身者の言い分は、確かにわからないでもない。

    だが、一見、不思議なのは次のように同じ妻というポジションでも、夫の給与レベルによって、家族手当支給の是非にかなりの温度差が出ることだ。

    バトル2 妻編

    【賛成】(夫は家族手当をもらえる)
    「家族手当を廃止する傾向があるようですが、絶対に反対です。私は結婚生活3年目の専業主婦。夫は年収700万円以上を維持してくれているのでパートで出ずにすみます。扶養家族なので、税金を払わなくても良いし、年金の保険料もタダ。夫の会社から家族手当も出る。こんなメリットを今さら手放せません」

    【反対】(夫は家族手当をもらえず)
    「主人は上場企業勤務ですがアベノミクスでもほとんど給料が増えません。そこで、私は正社員の口を探したのですが見つけることはできなくて、結局パートの勤務時間数を増やしました。以前は年収100万円で長時間勤務になってからは年収180万円(月収15万円)になりましたが、月給から社会保険料や所得税、住民税などが引かれるようになったため手元には12万円しか残りません。さらに痛かったのは、夫がもらっていた家族手当の配偶者分(月額1万円)がカットされたこと。夫の会社では配偶者の年収103万円を超えると、配偶者分が出なくなるのです。一生懸命働いても損ばかり。それに引き替え、旦那さんの年収が高い近所の奥さまは働いていないだけでなく、家族手当までもらえる。そんなの不平等です。こんな家族手当の基準は、格差を助長するだけです」

    配偶者控除廃止で4人家族は年間30万円以上の大損か

    悩ましい問題だが、ここへきて既婚者にとっての「家族手当」制度の是非に大きな影響を与えそうなのが、配偶者控除という税制の行方だ。

    配偶者控除とは、配偶者(妻)の年収が103万円までなら、納税者(夫)本人の所得から、所得税・住民税を控除する制度。多くの企業が家族手当の支給条件の1つに「扶養家族であること」を入れている。

    ところが、安倍政権は、この配偶者控除の廃止をもくろんでいる。

    もし廃止になったらどうなるか。明らかなのは夫の所得税、住民税などがアップすることだ。家計負担は確実に増える。となれば、家計を支えパートなどに出ていた妻は、より収入アップできる道を模索するに違いない。もとより、安倍政権は、配偶者控除廃止を女性の社会進出を促すことができる施策と考えているのだ。

    首尾よく妻の収入が増えたとしても、悩みは消えない。年収が103万円までは住民税のみだが、104万円以上になると住民税に加え所得税もかかってくるのだ。

    しかも、前述(バトル2:反対派)のように、夫の勤める企業のルールでは家族手当を出す要件として、妻が「年収103万円以内」としている場合が多い。つまり、前出(バトル1:反対派)のように子どもが2人いて月計26000円の家族手当を支給される世帯なら、年間で「約30万円」を失うことになる。妻は働けば働くほど、自分のクビを絞めるような状態になりかねないのだ。

    残された選択肢は、妻が家族手当カット分をも補うような収入を得るように努力するか、働き損をしたくないとパートを辞めるか。

    前者は妻の負担がかなり大きくなり、家事がおろそかになる可能性がある。後者は、家庭が貧困化するおそれが出てくる。いずれにしろ、配偶者控除廃止は女性の働き方に大きな影響を与えかねず、ひいては家族のあり方も変えてしまうくらいインパクトがある。

    そもそも冒頭で述べたように家族手当の支給率は漸減傾向にある。この配偶者控除の廃止が決定することで、企業が家族手当の見直し(廃止)をする可能性もなくはない。

    さきほどのバトルに即していえば、「家族手当賛成派」にとっては、現在の配偶者控除廃止+家族手当見直しという流れは、とてつもないWパンチになるかもしれない。

    独身者は、配偶者控除廃止論議の行方に興味がないかと思いきや、さにあらず。既婚者が自分と同じ立場(既婚による恩恵がゼロ)になって勝利気分を味わえるのかもしれないのだ。だが、それではますます未婚率が増し、少子高齢化も深刻化するように思えてならないのだが……。

    北見昌朗 きたみ・まさお
    歴史に学ぶ賃金コンサルタント
    昭和34年生まれ。名古屋市出身。(株)北見式賃金研究所代表。中小企業の賃金を実態調査した「ズバリ! 実在賃金」で定評がある。http://www.tin-age.com/

  • (2014年05月09日) 

    日本軍の給与にみる、今なお続くニッポン学歴主義

    ベストセラー百田尚樹氏の『永遠の0』を読みながら、私が気になったのは給与だ。「主人公の宮部久蔵は現場叩き上げの人間であり、高い給与をもらっていなかった気がするが、果たしていくらだったのだろうか?」

    疑問を抱いていた時に手に入ったのが『名古屋陸軍造兵工廠史 陸軍航空工廠史』(名古屋陸軍造兵工廠記念碑建立委員会発行)という本だ。

    パラパラめくっていていくと「軍人給与」(昭和20年)という項が目に入った。

    軍人の給与は、「月額俸給」(基本給のようなもの)のほかに「戦地増俸月額」(満州・朝鮮・台湾など地域ごとに決定)「出戦手当」「死亡賜金」が出ていたようだ。

    本を読み終えた私の感想は、60年以上も前の軍人給与の仕組みは、現代もそのまま続いているのではないか、ということだった。

    その給与は、職階ごとに決められていた。上は大将・中将・少将から、下は二等兵まであった。驚いたのは、二等兵の給与の低さである。

    二等兵は甲と乙があり、乙の人は、月額俸給が6円でしかない。それに「戦地増俸月額」が赴任地によっていくらが付く訳だが、「出戦手当」はナシで、「死亡賜金」はたった150円しか付かなかった。この二等兵が頑張って活躍して軍曹に昇進したとしても、月額俸給は26円でしかない。

    「兵隊あがりの少尉」は月給70円(理髪20回分)ももらえない

    『永遠の0』の主人公の宮部は海軍だったから若干違うかもしれないが、宮部の給与がいくらだったのか想像してみよう。

    宮部は大正8年生まれ。久蔵の父は相場に手を出して失敗して首を吊った。母も病死。おかげで宮部は経済的理由で中学校を中退。カネもなく、身よりもなく、昭和9年に海軍に16歳で入隊した。

    海軍の下士官は当時、口減らしで入った人が多かった。久蔵は最初、海兵団に入り兵器員となり、次に操縦訓練生(操練)になってパイロットになった。「操練」は一般の水兵から航空兵を募ったものだ。飛行訓練を経て最初に配属されたのは横須賀航空隊。宮部は昭和12年の日中戦争に、戦闘機のパイロットとして参加するなど腕を上げた。宮部は真珠湾攻撃に参加して、空母赤城の搭乗員だった。搭乗員の技量が高いのは、空母赤城と加賀に乗っていて第一航空戦隊と言われたので、まさにエースパイロットだった。

    宮部は昭和17年(24歳 海軍入隊9年目)にラバウルに配属になったが、その頃は「一飛曹」で、下士官の一番上だったという。この「一飛曹」というのが陸軍の給与兵には載っていないが、仮に「軍曹」クラスだったとすれば月額俸給は26円でしかない。

    昭和18年の時は「少尉」になっていたが、宮部のような兵隊上がりの少尉は「特務士官」と呼ばれ、兵学校出の少尉より一段下にみられていた。陸軍の給与表では「少尉」は月額俸給70円である。

    問題は、この給与の値打ちがどれだけあるかだが、当時の物価を調べてみると、例えば理髪代は、昭和15年に50銭だったが、昭和16年には1円50銭になり、18年には3円20銭に跳ね上がっている。そして昭和20年には3円50銭になった。

    月額俸給で、何回理髪に行けるか?ということで、その値打ちを想像できることだろう。「少尉」の月額俸給70円は理髪20回分だ。つまり兵役はお国のために尽くすことだから、薄給が当たり前なのだ、という感覚だったのだ。二等兵はまさに使い捨てだった。

    一方、大学在学中に予科練を志願し、特攻隊になった若者はいくらの給与だったのか? 大学出はいきなり少尉になったから、最初から高い(?)給与をもらえた。

    海軍兵学校を出てきたエリートは、いきなり少尉になり、その後は出世階段を駆け上っていく。中尉85円、大尉137円へと上がり、まして大将ともなると550円になる。これは二等兵の25倍だ。

    非エリートが一生浮かばれない仕組みは、今も同じか

    問題は、この兵学校出の秀才が戦場ではまったく役に立たなかったことだ。作戦というにも値しない愚かな戦争ばかり繰り返し、国を滅ぼした。秀才だったはずの幹部はなぜ無能だったのか? 彼らはペーパーテストに強かっただけで、知識があっても知恵がなかった。

    軍人の給与表は、見た目だけで判断すると、選抜能力主義の形式を整えているように見える。だが、その内容は差別的で、どんなコースで採用されたかによって身分が生涯固定化されてしまう。日本軍の敗北は、人事制度にも原因があったことは明らかだ。

    残念なことに、この人事制度は今でも役所や企業で生きている。とりわけ大企業の就活においては、出身大学によってエントリーさえできず門前払いをくらう学生が多数おり、また成果能力主義を導入しているといっても学歴が出世に大きく関わる企業が多いのが現実だ。企業内でも、ペーパーテストが強いだけで知恵のない者がトップに立てば、いずれ組織は滅びる。硬直的な人事制度がヒトを活かすことはできないのだ。

    北見 昌朗 きたみ・まさお
    歴史に学ぶ賃金コンサルタント
    昭和34年生まれ。名古屋市出身。(株)北見式賃金研究所代表(http://www.fukkatu-nagoya.com/nenpyo/eienno-zero.html)。桶狭間の合戦の武功にどんな恩賞が与えられたのかを調べた『織田信長の経営塾』(講談社)など著書多数。

  • (2012年12月05日) 

    セミナーご案内
    詳細は下記リンク先をご覧ください。

    ◆北見昌朗が講師
    平成24月2月16(木)三重、21日(火)名古屋、2月22日(水)大垣、3月2日(金)大阪にて開催
    「平成24年新春セミナー 競争力を取り戻そう! ガラッと給与一新セミナー2012」

    ◆北見塾塾生が講師
    ・《人件費見直しセミナー》 
    1月18日(水)  東京都・銀座にて開催
     「オーナー会社のための 役員・幹部の処遇のコツ セミナー」ほか

    ・《助成金・経費削減セミナー》 

    ・《その他のセミナー》 
    2月24日(金)  東京都・銀座にて開催
    「社員と、もめごとを起こさない就業規則の作り方セミナー」ほか

  • (2012年01月27日) 2012年 1月27日付 PRESIDENT Online に 北見昌朗が掲載されました。ぜひご覧ください。
  • (2011年12月01日) 12月8日号『週刊文春』の記事、「リーマンショックから3年 「日本人の給料」ここまで下がった!」に北見昌朗が掲載されました。ぜひご覧ください。 nakaduri_111208.JPG











  • (2011年11月24日) 12月1日号『週刊文春』の記事、「東京電力 経営コンサルタントが暴いた本当の給料」に北見昌朗のコメントが掲載されました。
    ぜひご覧ください。週刊文春_20111201.pdf
  • (2011年11月07日) 田中真澄先生をお招きし、講演会を開催しました
  • (2011年10月16日) 中日新聞 名古屋市民版に掲載されました
  • (2011年10月16日) J-CASTテレビウォッチに掲載されました
  • (2011年10月10日) 10月13日号『週刊文春』 の記事、 「日本から「中流家庭」が消える!』に北見昌朗のコメントが掲載されました。
    ぜひご覧ください。週刊文春_20111013.pdf
  • (2011年09月11日) 9月10日号『週刊現代』 の記事、 「超円高・超株安」ニッポン  何が起きるか、読み切る」に、北見昌朗のコメントが掲載されました。ぜひご覧ください。 weeklyGENDAI_0910.pdf

  • (2011年08月29日) 新刊『日本は80年周期で破滅する』発売のご案内
  • (2011年08月26日) 8月18日付中日新聞経済欄で、北見昌朗の記事が載りました。
    印刷される場合は、A3サイズに設定してください。
    中日新聞(H23.8.18).pdf
  • (2011年07月31日) "リーマン直撃! 年収ガタガタに"〜「ズバリ!実在賃金」のデータを送って下さい!
  • (2011年07月17日) ダイヤモンド社のビジネス情報サイト「ダイヤモンド オンライン」に掲載されました
  • (2011年05月18日) 中国コンサルに進出しました! 中国労務.com
  • (2010年08月25日) 『消えた年収』の一部を掲載いたします!
  • (2010年07月28日) 北見昌朗の緊急レポート 「ズバリ! 実在賃金」愛知県 平成21年版 速報まとまる をアップしました。
  • (2010年05月27日) 新たにブログを開設しました。ご期待ください!
  • (2010年03月26日) 2010年3月26日付 朝日新聞「2010春闘」に、北見昌朗がコメントを寄せています。
    詳しくはこちらをご覧ください。
  • (2010年03月21日) 『COMPANIA』誌 特集「中途採用で差をつける」に、北見昌朗の記事が掲載されました。
    詳しくはこちらからご覧ください。
  • (2010年02月27日) 『プレジデント』誌 2010年3.15号に、中小企業の賃金コンサルタント 北見昌朗(北見式賃金研究所所長)の記事「企業年金崩壊  運用失敗で『退職金倒産』の危機も」が掲載されました。
    詳しくはこちらからご覧ください。
  • (2010年01月19日) 中小企業の賃金コンサルタント 北見昌朗(北見式賃金研究所所長)の緊急レポート「リーマンショック後の給与動向と22年の改定」をアップしました。
  • (2009年12月14日) 新刊ラジオ podcastingに、中小企業の賃金コンサルタント 北見昌朗(北見式賃金研究所所長)の『消えた年収』が紹介されました。
    こちらから、ぜひお聴きください!

  • (2009年08月29日) 2009年8月29日の中日新聞「選択の視点を聞く~8・30総選挙」に北見昌朗がコメントを寄せています。ぜひご覧ください。
  • (2009年01月27日) 『週刊現代』2009/2/7号「総力取材 怒れ!"官民給与格差" 隠された真実――公務員vs.民間企業、こんなに違うカネ、待遇、老後』に北見昌朗がコメントを寄せています。ぜひご覧ください。
    ⇒ 記事はこちら(PDFファイル)
  • (2009年01月17日) 

    北見昌朗の新刊が好評発売中です。

    「公務員の給与はなぜ民間より4割高いのか」幻冬舎新書

    「幹部に年収1000万円を払う会社になろう」PHP研究所

  • (2008年10月24日) 関西圏版「ズバリ! 実在賃金統計」の給与サンプルは、平成19年度に1万人を突破しました。。 管理職の「夏と冬を合計した年間賞与の合計額」(規模別・管理職年間賞与額)グラフを公開します。
  • (2008年09月21日) 平成19年版 ズバリ!実在賃金統計 愛知版(全面改訂版)のCDプレゼントを開始しました。愛知県内の企業様で賃金データをご提供いただける会社様には無料でお送りさせていただきます。よろしくお願いします。 ⇒ 北見からの音声メッセージはこちら(wmaファイル)
  • (2008年09月21日) 首都圏版「ズバリ! 実在賃金統計」の給与サンプルは、平成19年度に1万6千人を突破しました。 管理職の「夏と冬を合計した年間賞与の合計額」(規模別・管理職年間賞与額)グラフを公開します。
  • (2008年09月08日) 北見は平成20年年7月に愛知、三重、岐阜の228社の通勤手当を独自に調査しました。この通勤手当調査に関する記事が平成20年年8月26日の中日新聞 朝刊に掲載されました。その記事を賃金統計コラムにアップしました。
  • (2008年09月02日) 

    北見昌朗が「ズバリ!実在賃金統計」を語る動画をアップしました。是非ご覧ください。

  • (2008年09月02日) 北海道滋賀県でも「ズバリ!実在賃金統計」の作成が決定いたしました。北海道滋賀県の経営者の皆様、是非賃金データのご提供にご協力をお願いいたします。
  • (2008年08月27日) 北見昌朗の最新研究成果『「国税庁の民間給与実態調査」から探る日本の給与』『上がる悲鳴!物価高騰時代 社員の生活費を見つめ直そう - 総務省の「19年 家計調査」から探る実態 -』賃金統計コラムにアップしました。是非ご覧ください。
  • (2008年08月27日) 無料!2大特典のプレゼントを開始しました。「ズバリ!実在賃金統計」の賃金データをご提供くださった方には、「新・通勤手当規程」(アンケート調査結果付き)と北見昌朗の最新講演CD「物価高騰時代 社員の生活費を見つめ直そう!総務省の家計調査から探る実態」の2つを無料でプレゼントします。(塾生の訪問希望者限定です。)詳しくはこちらをご覧ください。
  • (2008年08月27日) 神戸新聞8月26日朝刊に北見の同志 糟谷芳孝氏 への取材記事「各地の賃金相場、社労士が算出 兵庫版は来年」が掲載されました。是非ご覧ください。
  • (2008年08月27日) 

    北見が執筆した記事 "元気な中部"でも給与が毎年下がり続けている!(愛知県経営者協会会報 20年9月号掲載)を賃金統計コラムに追加しました。ご一読下さい。

  • (2008年07月19日) 愛知版「ズバリ! 実在賃金統計」の給与サンプルは、平成19年度に2万人を突破しました。 「夏と冬を合計した年間賞与の合計額」(年間賞与ライン)グラフを公開します。
  • (2008年07月11日) 北見昌朗は東京・名古屋・大阪で「"名ばかり管理職問題"に対応する賃金体系見直しセミナー」を開催します。名ばかり管理職の問題は、チェーン店だけではなく、どの会社にも通じる問題です。具体的な解決策を提示します。是非ご参加ください。
  • (2008年06月06日) 

    6月5日の日経産業新聞に『「名ばかり管理職」の解消法、経営コンサルタント北見氏に聞く、昇格時の減収回避を。』が掲載されました。 ⇒記事はこちらへ

  • (2008年06月03日) 都道府県として初めて退職手当のカットに踏み込んだ大阪府の人件費削減案に関する新聞記事を賃金統計コラムに追加しました。
  • (2008年05月20日) 

    賃金無料診断の「記入シート」が新しくなりました。首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)、関西圏(大阪府、京都府、兵庫県)および静岡県、福井県、愛媛県は「平成19年版ズバリ!実在賃金」を作成中ですので、記入シートに平成20年度と平成19年度の両方を記入できるようにしました。 ⇒記入シートのダウンロードはこちら

  • (2008年05月07日) 

    北見式賃金研究所 5月21日 名古屋で「名ばかり管理職」就業規則見直しセミナー 追加開催へ ⇒ 詳細はこちらへ

  • (2008年04月30日) 

    独自の賃金統計「ズバリ!実在賃金」の 東京 大阪 愛知 岐阜 福井 愛媛 の年収グラフを公開しました。上の全国地図で「ズバリ!実在賃金のある地域」をクリックすればご覧になれます。

  • (2008年04月27日) 厚生労働省発表の平成19年版賃金センサスから所定内給与をグラフ化しました。上の全国地図で「賃金センサスで表示する地域」をクリックすればご覧になれます。
  • (2008年04月27日) 

    北見昌朗と北見塾メンバーが発行する中小企業経営者の賃金・労務管理のお役に立つ無料メールマガジンリストを公開しました。続々追加予定です。是非ご購読ください。

  • (2008年04月26日) 関連リンク集に 北見が親しくさせて頂いている賃金コンサルタント 北見塾のメンバー のリストを公開しました。 彼らに講演やコンサルを是非ご依頼下さい。
  • (2008年04月12日) 全国各地で「"名ばかり管理職"解消セミナー」を開催します。名ばかり管理職の問題は、チェーン店だけではなく、どの会社にも通じる問題です。具体的な解決策を提示します。是非ご参加ください。
  • (2008年03月19日) 「自分の年収が高いのか低いのかを確認する方法がないですか?」など給料・賃金に関する疑問に、賃金統計の観点からお答えする【賃金統計コラム 】をリリースしました。
  • (2008年01月22日) 中小企業の給与、賃金水準をわかりやすく解説する『ズバリ!実在賃金統計ドットコム』がオープンします。