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ズバリ!実在賃金とは中小企業の賃金明細を基にした生の賃金統計

どれもこれも使いものにならない役所の賃金データをなんとかしたい! 賃金に悩む中小企業の社長を救いたい! 

どれもこれも使いものにならない役所のデータをなんとかしたい!

開発に至る経緯

「給与が低い」と職員に言われた。悔しかった

北見昌朗が1995年に35歳で創業した頃のことです。ある職員が私に言いました。
「給与が低い。やっている仕事と割が合わない」

そう言われた私は、悔しかった。
(社労士業界は賃金水準が低いので、うちだけが低いわけではない。社労士の世界はこんなもんだ)
と反論したかった。でも、言葉には出せませんでした。

その職員の言葉は胸に突き刺さり、ずっと心に残りました。寝床に入っても頭に浮かびます。
(クソ! 悔しい。誰か専門家が来て、うちの職員らに言ってくれないかなあ。中小企業の賃金はこんなもんだと)

そこで気付いたのです。そういえば、自分自身がその賃金の専門家であったことを。だが、その当時は自分が賃金統計を自ら創るなんて考えもしませんでした。

38歳の頃になると賃金コンサルタントとしての仕事は順調で、ご依頼はひっきりなしにきました。

顧客の社長からいつも言われた言葉です。
「うちの給与って、どうかなあ? ヨソと比べて」

北見昌朗は
「良いと思いますよ。少し高い方だと思います」
と答えます。でもスグ次の質問が…。
「根拠は?」

この問いに答えられませんでした。当時参考にしていたのは愛知県経営者協会の「愛知のモデル賃金」という資料です。この賃金統計は実態に合っていないことは明白でした。毎日、中小企業の賃金明細ばかり見ているので、皮膚感覚で
(愛知のモデル賃金は絶対おかしい)
と思うのですが、では代わりになる賃金データがありません。

役所が出していた賃金統計は、全国各地から取り寄せて徹底的に見ました。例えば、こんなものです。
 ×賃金構造基本統計調査(賃金センサス) 厚生労働省
 ×民間給与の実態調査 人事院
 ×東京都中小企業賃金事情
 ×モデル賃金・年収調査 労務行政研究所
 ×大阪東部地区商工会議所賃金調査 東大阪商工会議所
 ×岐阜県のモデル賃金 岐阜県経営者協会

でも使いモノにならないのです。北見昌朗は賃金統計のデータをグラフ化して検証します。すると違和感を覚えるのです。

賃金構造基本統計調査(賃金センサス) 厚生労働省

この統計のどこがダメかというと、通勤手当が含まれていることです。もともと正社員に絞った調査データではありません。そもそも中小企業の経営者が給与決定の参考にするために作られている賃金統計ではありません。

民間給与の実態調査 人事院

人事院は民間の賃金を調べて、それを基に公務員の賃金の引き上げを勧告するのが仕事です。調べている人も公務員ですから、当然お手盛りになります。

「日本は税金を払う方が苦労して、税金で食べている方は極楽」
といった政治家がいますが、それを地でいくのが人事院です。

東京都中小企業賃金事情

この統計も、どこを調べたのか?と疑いたくなるような代物です。北見昌朗は東京都の中小企業の賃金を大量に見ているので、自信を持って断言します。

「東京都中小企業賃金事情なんて参考にならない」
 と。

 

北見昌朗が40歳くらいのときのことです。
 (既存の賃金統計はいずれもダメ。結局、自分で創るしかないか!)
 (やはり、中小企業による、中小企業のための、中小企業の賃金統計が要るのだ)
という志が芽生えました。そこで年収をプロットしたグラフを作りました。と言いましても試作品レベルです。

顧客には
「中小企業の賃金を集めたいので、ご協力をお願いします」
とお願いして回りましたが、集まらないので、1年でオジャンになりました。それでも
(絶対に独自の賃金統計を作ってみせる)
という野望は、まさに燃える闘魂のようでした。

(顧客の従業員数が1万人を超えたら、その賃金データだけで統計ができるはず)
と思いましたので、捲土重来を期しました。

北見昌朗が47歳だった2005年のことです。
独自に集めた賃金データを基にした統計が完成しました。サンプル数は愛知県版のみで1万人を超えました。嬉しかったですね。まさに悲願の達成でした。

北見昌朗は実家に戻って、神棚にグラフをお供えしました。あの時は、さすがに嬉し涙が頬を伝いました。
名前をどうしようかと迷っていましたが、「ちびまる子ちゃん」を見ていて、「丸尾君」のセリフを聞いて
(「ズバリ! 実在賃金」にしよう)
と決めました。
「実在賃金」という言葉は、「モデル賃金」に対抗するものです。

北見昌朗が48歳だった2006年のことです。
北見昌朗は、社労士の先生方を集めた北見塾というのを主宰しています。その方々のご協力もあって、「首都圏版」「関西圏版」「福井県版」など各地域版も出来上がりました。
それはまさに夢の実現でした。

北見昌朗が64歳になった2024年のことです。
調査する項目の中に「学歴・職種・資格」を追加しました。このおかげで賃金統計の精度が一気に上がりました。
特筆すべきは「ズバリ! 実在賃金 建設業版」の完成です。建設業は資格の有無が決定的なので、完成した時は誇らしかった。

北見昌朗が65歳になった2025年のことです。
この年は大きな変化がありました。「ズバリ! 実在賃金」のグラフが全国47都道府県で完成したのです。まさに全国区です。
コロナに伴うオンラインで商圏が全国になりました。そのおかげで「地域補正」というノウハウを身に付けることができました。
2025年版は全国47都道府県の合計38000人集まりました。それに「地域補正」を行うことで、全国47都道府県をカバーできるようになったのです。

北見昌朗のモットーです。
「独自の調査研究により、中小企業の発展に貢献する、実践的な賃金制度を提案しよう!」
これからも、それを実現するために邁進します。

2025年 元旦 北見昌朗

以下は2005年にズバリ! 実在賃金が完成した当時に書いたものです。


これが実態!

「昇給・・・どうすればいいんだ・・・」「賞与・・・まいったなぁ・・・」と、賃金の問題で悩む中小企業の社長を救いたい! それが北見昌朗のモットーです。私が好きな言葉は『現地現物』。賃金についても、中小企業の経営実態をよく知った上で提案をしたいのです。ですから、中小企業の実際のデータを集めました。

「そんなに集めたんですか!」と誰もが驚くほどのデータを集めました。
中小企業のデータを大量に集めてプロットすることで、相場を明らかにします。そのグラフの上に自社のデータをプロットすれば、世間の中小企業と比べて自社の水準がどのあたりにあるのかということが、一目瞭然となります。

「中小企業には中小企業にあった賃金の管理がある」。私はこれを追い求めているわけですが、そのうえで必要なのが、この「ズバリ! 実在 賃金」なのです。

※このグラフは首都圏の中小企業の賃金の総額をプロットしたものです。横軸は年齢、縦軸は金額です。このグラフの上にあなたの会社のデータをプロットすれば、世間と比べて高いか低いかが一目瞭然。

このような統計は主に厚生労働省や商工会議所・経営者協会が作っていますが、中小企業にとってあまり参考にはなりません。「アンケート記入による自己申告制であること」「架空の標準者を前提にしたモデルの賃金であること」「所定内 賃金と所定外 賃金との区分けが不明確であること」などの問題点があるからです。

賃金のデータを送って下されば、無料で診断させていただきます。どうぞデータを送って下さい。

モデルは、やっぱりモデル

この「ズバリ! 実在 賃金」という名前は北見昌朗が商標登録をしております。この名前を決めるに当たり、私が意識したのは「モデルの賃金」という言葉です。

統計には「モデルの賃金」というものと「実在者の賃金」というものと、作り方が実は2つあります。「モデルの賃金」とは何かといいますと、標準者(これをモデルといいますが)が定年退職するまでの賃金を表したものです。標準者とは、新卒で入社し標準的に昇進・昇格、つまり課長や部長となり、そして定年退職まで行く人のこと。その場合にいくらになるのかを調べて発表します。この統計の世界では主流をなしていたつくり方だと思います。

「職能給」という賃金表をご存じですよね。この表を作る場合に何を基準にして行うかといいますと、あくまでも「モデルの賃金」です。その金額は地域によって異なりますが、例えば50歳の男性で高卒で45万円、大卒で50万円、そのくらいが一般的な額であります。しかしながら、私はこの「モデルの賃金」というものに対して元々疑問を感じておりました。理由は、そのモデルという概念に該当する人物がはなはだ少ないという事実です。

そもそも正社員300人未満の中小企業でいいますと、約9割近い人が実は中途入社です。中小企業の場合は残念ながら「中途で入社し中途で退職」。これが実態なのです。実際、そういう企業が多いと思いませんか? にもかかわらず「モデルの賃金」は、「新卒で入り、課長・部長となり定年まで行く」というのです。その「モデル」を中小企業に当てはめようとしたところで、当てはまるわけがありません。

「あなたの会社は賃金が低いです。このぐらい低いです。大幅に低いです」ということになります。若年層も差がありますが、特に中高年になると顕著。極端に言えば、「モデルの賃金」の3分の2しかないということで、あなたの会社は低いということになってしまいます。

おかしいと思いませんか? そのような比較は本来中小企業にはあわない、ふさわしくないものだと思います。こうした概念がふさわしいのは官公庁の社会だと思うのです。公務員ならば新卒で入り課長・部長となり定年まで行く、これが彼らの言ってみれば常識だからです。しかしながら、中小企業にとっては非常識以外のなにものでもありません。

「30万円しか」と「30万円も」

中小企業にとって必要なことは実在者の賃金です。同じ地域で、同じ業界で、同じ規模の会社がいくらの賃金を払っているのかという実態。それに対して、うちの会社がいくら払っているのかという比較。こうした比較こそが必要なものさしだと思います。

その比較をするためには、独自の統計が不可欠です。実在者のデータがあって初めて「中小企業にあった賃金の管理」が実現できると思うのです。

経営者にはいろいろな悩みがありますが、そのうちのひとつは賃金だと思います。例えば30万円という賃金があったとします。社員は「30万円しかもらっていない」と言うでしょう。しかし、社長は「30万円も払っている」と言うでしょう。この「しか」という言葉と「も」という言葉はいってみれば立場の相違ですから、いくら話し合ってもその溝は基本的に埋まることはないでしょう。例えば35万円に引き上げても、また同じ議論が起きるわけです。

これが実態です。経営者というのは常に社員の賃金の問題に悩まされ続けるわけです。そのとき、頼りになる指標はありません。コンパスを持たずに航海している船長と同じです。経営者が、自分は南にいるのかなと思っていたところ、実は北にいたというような現象が見受けられるわけです。

賃金の世界におけるコンパスがあればいい。自分がいまどこにいるかが正しくわかるコンパスがあればいい。そう思いませんか?

この30万円の話ですが、業界の相場を調べたところ、そこで仮に平均が30万円という数字が出たとしましょう。そうしますと、経営者としては「うちは30万円という相場にひけをとらない額を払っているのだ!」とはっきりと断言できるのです。だからこそ、経営者と社員が共有できる指標を作る必要があるわけです。相場に照らし合わせたとき、自分の会社が相場にふさわしいきちんとした金額を払っていることがわかれば、そのことを労使双方が認めてさらに業績を向上し賃金を向上するという意味で共通の土台に立つことができる。そのためにもアベレージ、平均というものを出すことは大変意義のあることだと思います。

偽装統計

私はこの「ズバリ! 実在 賃金」を作ることで、賃金の統計の世界に一石を投じたいと思います。そもそも、官公庁が作るものとか、あるいは経済団体が作るものがほとんどであって、私のような在野の民間の人間が作るというのは実は前例がないのです。ところが、官公庁が作る統計というものは、実は調べれば調べるほど疑問のものが多いのです。なかでも象徴的なものは人事院の発表している統計であります。

人事院というのは、国家公務員の賃金を勧告するところであります。民間の相場を調べてそれに準拠する形で国家公務員の賃金の引き上げを答申するのが彼らの仕事です。人事院調査、これは平成16年11月に発表したものですが、従業員50人以上の民間企業を調べたところ、退職金の平均は3000万円だったといいます。それに対し国家公務員の退職金は2700万円しかない。そこで公務員の退職金を引き上げるべきだという風にまとめたのが人事院調査であります。この3000万円という金額を聞いて、納得をする民間のサラリーマンがどれだけいるでしょうか。

このように、官公庁が行う統計というのものはひとつの意図があるのです。その意図というのは自分たちの賃金を引き上げる根拠にしたいということです。ですから、官公庁が出している統計は常に実態よりも高くなる傾向があるわけです。私はこのような、言ってみれば、偽装されたものではなく、本当の実態の統計を出していきたいと思います。

この「ズバリ! 実在 賃金」を作るのは、実は非常に骨の折れる作業であります。大量の賃金のデータが必要なのです。データを集めるというのは、半端な努力ではできないからです。

そこで、皆様に是非お願いしたいのです。データを送って欲しいのです。送っていただければ、無料で診断グラフを作成させていただきます。是非お願いしたいと思います。

私はこれから経営者が励みにできる指標を作っていきたい。東京、大阪、名古屋。この3箇所については毎年、統計を発表します。発表することで、これがアベレージであるとはっきりと言えるような、言ってみれば、スタンダードを作っていきたいと思います。

賃金の問題で、もう悩まないでいただきたい。そのためにも、皆様のご支援ご協力をなにとぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございます。

北見昌朗