ズバリ!実在賃金統計ドットコム > 中途採用者に初任給を提示したら応募者に辞退された!

中途採用者に初任給を提示したら応募者に辞退された!

中途採用の初任給相場がわかっていれば…。北見昌朗の悔しい体験談。北見式賃金研究所

賃金に関して、北見昌朗自身が体験した悔しい話をしましょう。

2005年頃の体験です。
社会保険労務士の業界も求人難でした。名古屋の社会保険労務士事務所の求人票なんて、昔ならほんの数件あれば良い方でしたが、今では山のように出てきます。名古屋の社会保険労務士事務所の所長はどこでも求人難で困っています。

さんざん求人広告を出して、ある方が応募して下さいました。履歴書を見ると、中小企業では採用しにくいような立派な職歴です。お会いしてみると、明るくて良い感じです。つい採用したくなりました。そこで採用の内定を伝えました。

賃金決定は、中小企業向けの賃金コンサルタントとして北見昌朗の本業ですが、迷ったのは初任給でした。

北見式賃金研究所は賃金データが豊富なところだと思われていますが、その当時はそうでもありませんでした。

愛知県下の中小企業の初任給は、労働局のサイトで新卒ならば公開されていますが、中途採用の場合はどこにも参考になる賃金データがなかったのです。

賃金をどうしたものかと悩みつつも、応募者の方に賃金を提示しました。

「考えさせて下さい」

が、その方のお返事でした。そして翌朝になると

「せっかくですが辞退させて下さい」

というお電話。きっと賃金が気に入らなかったのでしょう。

ガーン! 電話を切った後で、北見昌朗は思わず溜息を吐きました。賃金決定の難しさを実感しました。

中途採用者の初任給をじっくり調べた

中途採用者の賃金決定の難しさを実感した北見昌朗はモンモンとしました。いや、実のところムカムカしました。逃した魚は大きく思えるもの。

そこでフト思い浮かべたのは、世の中小企業の社長の悩みです。考えてみれば、次の通りでしょう。

「中小企業の社長は、中途採用者の賃金決定で困っている」

「中小企業の賃金明細を見ると、異様に高い賃金の人がいるかと思うと、異様に低い賃金の人もいる。社長に『なぜ、こうも凸凹があるのか』と尋ねると『前職の賃金を訊いて、それに合わせたらこうなってしまった』と困った表情」

「中小企業の社長にとり、中途採用者の賃金決定は、いってみれば“目隠しして行うスイカ割りゲーム”と同じだ。それぐらい自信のない仕事になっている」

中途採用者の初任給相場は賃金データを分析することでわかった