経団連の賞与・昇給の調査は意味なし
経団連は賞与の調査や、昇給の調査を行って新聞に発表しているが、ナンセンスであるある家族の会話です。大学生の息子、会社員の父、パートタイマーで勤務している母、という3人家族です。
子 最近は景気も徐々に良くなり、働く人の賞与も増えているそうだね?
父 はあ? どこの国の話だ?
子 もちろん日本だよ。だって新聞に記事が出ているじゃない。最近は賞与の額が増えているって。だって、ココに記事が出ている。
父 どれどれ、なに? この記事かな? 「賞与が2年連続増 経団連調査」
子 そうだよ、だってココに賞与が増えているって書いてあるよ。
夏の賞与、2年連続プラス
日本経団連は18日、大手企業が支給する夏の賞与・一時金(ボーナス)の第1回集計を発表した。組合員平均の妥結額(加重平均)は昨夏比4.17%増の80万9604円で、2年連続のプラスとなった。
東日本大震災前の景気回復基調を踏まえて妥結した企業が多く、経団連は「震災の影響が大手企業の賞与に出るのは早くて冬のボーナスから」とみている。[毎日新聞社 2011年5月19日(木)]
冬のボーナス 大手は80万円台
経団連が21日発表した大手企業の年末賞与・一時金の最終妥結状況によると、回答企業165社の組合員平均は前年同期比3・62%増の80万2701円で、2年連続のプラスになった。80万円台は3年ぶりで、平成15年(80万2481円)と同水準。
内訳は製造業が6・01%増の79万8097円で、14業種のうち、紙・パルプ、車両を除く12業種が前年水準を上回った。
非製造業は2・49%減の81万8238円で、5業種のうち私鉄と電力の2業種が前年よりも落ち込んだとみられる。[産業経済新聞社 2011年12月22日(木)]
母 へえ、ヨソは何だかんだといっても景気が良いのねえ。不景気で賞与が減ったのは我が家だけなの?
父 冗談じゃない。こんな記事、信じられない。こんな調査は、まともに調査をしている訳ではない。信じる方がどうかしている。
母 それにしても、何なの、このケイダンレンというのは?
父 大手企業が入って作っている経済団体のようだ。でもサイトで調べてみても、会員名簿が載っていないので、どんな会社が入っているのか不明だが、たぶん日本国内の大手企業がこぞって加入しているのだろう。1600社以上が会員になっている。
子 ということは、大手は景気が良くて、賞与も増えているってことなの?
父 うーん、この賞与の調査は大手企業165社がサンプルになっているそうだが、その調査対象の企業名が載っていない。サイトを見ると「2011年 年末賞与一時金」というデータは出てきた。こうして発表しているから事実は事実かもしれないが、疑問を感じる内容だ。
子 なぜ?
父 だって、日本には勤労者が5000万人以上いる。その中で厚生年金の加入者は3000万人以上いる。その中で経団連に加入する企業の社員が、いったいどれだけいるのか? そもそも%にしたら、%にもならないような比率ではないだろうか? そんな一部のエリートの賞与や昇給なんて、知ったところで意味もない。
子 いわゆる格差社会の頂点にいるようなエリートなの?
母 いいえ、今の日本のエリートは、大手の社員ではなく、公務員ですよ。公務員以上に恵まれた立場はありませんから。
子 ふーん、そうなの?
母 だって親戚にいるオジサン、勤務先は市の交通局でしょ。あの人の年収を聞いてビックリしたわ。
子 いくら?
母 年収1000万円だって。市バスに乗って年収1000万円ですよ。
父 それはヒドイな。許せない。確かに今の日本社会の頂点にいるのは公務員で、次が大手の社員かもしれない。
母 ところで、この経団連って、何のためにこの賞与や昇給の調査をしているの?
父 さあ、わからない。
子 きっと見せびらすためじゃないの? 我々エリートはこんなにもらっていると。
母 ところで、新聞社は、なぜ経団連の賞与や昇給の記事を載せているの?
父 うーん、わからない。考えられるのは広告のためではないかな。大手企業はスポンサーだから、新聞社といえども、その顔色をうかがっているのだろう。
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