【東京都】 賃金が暴落! リーマン後の年収の相場は?
リーマン前とリーマン後の賃金 東京都の中小企業は暴落し、悲惨な状況に陥っている
◇ 雇用することが社会貢献社長 東京都で会社を経営しています。製造業で、社員が50人います。社員の給与のことはいつも気にかけています。経済環境が厳しい中で、どうにか業績を維持していますが、それでも収益の低下は避けられません。社員の賃金についても、以前よりはダウンしています。うちの社員の賃金について、診断をお願い致します。
新藤 社員が50人いるのですか、素晴らしいですね。私が尊敬する京セラの稲盛和夫先生は、こうおしゃっています。
「従業員を1人でも2人でも雇用している中小企業の経営者は偉い。今は、人間が1人で生きていくだけでも大変な時代。そんな時に従業員を雇用して、給与を払い続けるなんて、生半可なことではできない。日本で働く人の多くは、中小企業で勤めている。中小企業が日本社会の安定のために果たしている役割は大きい。経営者はどんな困難な状況に直面した時でも、従業員の雇用を守だけの気概を持って欲しい」
そうかんがえれば、社長は素晴らしい社会貢献をされていると思います。
◇ 新藤の賃金の診断
社長 褒めていただいてありがとうございます。それで、社員の賃金の相談をさせて下さい。ある社員の年収は次の通りです。

新藤 「ズバリ! 実在 賃金」(平成22年の賃金のデータ)の首都圏の賃金は、次の通りになっています。「50歳 男性 一般社員」の場合です。これは首都圏(東京都+千葉県+神奈川県+埼玉県)という地域全体のデータです。

上記は、首都圏全体の賃金のデータです。この中で「東京都」のみのデータで抽出すると、次のような賃金になります。

社長さんの払っておられる賃金は、この「ズバリ! 実在 賃金」の賃金の相場と比べて遜色有りません。
◇ 新藤の賃金 ワンポイントアドバイス 時間外手当の支払い
社長 そうですか、東京都の世間の賃金と比べて遜色ないと聞き、安心しました。賃金の額は、問題ないとのことでしたが、賃金の払い方に関してはいかがでしょうか?
新藤 気になったのは、賃金の額よりも、賃金の内訳です。時間外手当の計算はどのようにされていますか? 分子と分母を教えてください。
社長 分子は基本給です。分母は年間の労働時間が2085時間ですから、月間173時間で割っています。
新藤 その分子が問題です。分子は基礎の賃金といいまして、法令等で定められています。
割増賃金を計算する(残業単価を計算する)元になるのは、原則として賃金すべてです。ただし、次の賃金は除外することができます。
・家族手当
・通勤手当
・別居手当
・子女教育手当
・住宅手当
・臨時に支払われる賃金
・1ヶ月を超える期間ごとに支払われる
ですから、貴社の場合は皆勤手当も基礎の賃金に入れる必要があります。
社長 わかりましたが、でも、それでは時間外手当の単価が上がってしまう。
新藤 賃金は労働基準法で具体的に定められています。法令遵守が必要です。それだけ多額の賞与を払っていながら、労働基準監督署から「賃金が不払いだ」という是正勧告を受けるのは、嫌なはずです。
社長 わかりました。賃金と賞与の違いまで考えながら、社員の処遇を考えるように致します。
回答者は
東京都千代田区 エムエーピー労務管理事務所 新藤 昭彦氏
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