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【大阪府】 中途採用者の初任給の相場は?

初任給はいくらが相場か? リーマン後の最新情報 大阪府

社長  大阪府の会社です。業種は製造業で、人材を幅広く募集しています。募集に際して、いつも困っているのは中途採用者の初任給です。大阪府の中小企業は、中途採用者にいくらの初任給を払っているのか知りたいです。

川西  これまでは、どのような基準で初任給を決めてきたのですか? 

社長  前職の賃金の額を聞いて、それを参考にして決めていました。だからデコボコが大きくなり、困っています。今後は世間相場を知った上で、社内の基準を設けて、初任給を決めたいです。

川西  具体的には、どんな人材の初任給を知りたいのですか?

社長  実は、いま3人の人と面接する予定です。その3人は次のような人材です。
Aさん 30歳。高卒。公共職業安定所を通じて応募してきた。採用後は工場で勤務してもらう。前職は、他社でアルバイトをしていた。

Bさん 30歳。大卒。就職サイトを通じて応募してきた。採用後は営業外勤になってもらう。前職は営業職で、賃金は総額で23万円だった。

Cさん 40歳。同業者で課長を務めていた。幹部候補として迎え入れたい。前職の賃金は40万円。

川西  では、まずAさんとBさんの2人の初任給を検討しましょう。「ズバリ! 実在 賃金」(関西圏版)は、22年度の賃金のデータが載っています。そこには「勤務年数別の賃金」という項目があり、それをみれば「中途採用者の初任給」は一目瞭然です。

社長  へえ、勤務年数別で賃金がわかるのですか。

川西  「ズバリ! 実在 賃金」(関西圏版)で、「30歳 一般男性社員」の部分を見ますと、次のように載っています。

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社長  その「賃金の総額」と「所定内の賃金」というのは、どんな意味ですか?

川西  「賃金の総額」は「賃金の明細から通勤手当のみを除外したもの」です。だから時間外手当込みです。それに対して「所定内の賃金」から時間外手当を除外したもので、基本給の外に、家族手当・住宅手当・役職手当・皆勤手当などが含まれます。

社長  それで、初任給はいくらなのでしょうか?

川西  その会社の賃金の体系によります。製造業務の場合は、一般的にもちろん「所定内の賃金」を初任給とします。その初任給には基本給や諸手当が含まれていて、残業をした場合は別に時間外手当が出ます。また、営業業務の場合は、営業手当などのみなし時間外手当を採用している先が多いです。その営業手当は毎月固定になっているケースが多いです。そのような場合は「賃金の総額」をもって初任給としているのが実態です。

社長  当社の場合は、製造業務の一般社員は次のような賃金の構成になっています。
「基本給+皆勤手当+家族手当+役職手当+資格手当」
そして残業をした場合は、別途に時間外手当を払っています。
しかしながら、営業業務の場合は、時間外手当の替わりに営業手当を払っています。その営業手当は毎月定額です。

川西  ということは、AさんBさんの場合は、次のような賃金が、関西圏の中小企業の相場になります。

Aさん 所定内の賃金 220000円(このほかに時間外手当を支給)
Bさん 賃金の総額  255000円(この中に一定の時間外手当が含まれる)

社長  ナルホド、過去に設定してきた初任給よりも低いですね。賃金の相場を知ることができ、安心しました。ところで幹部候補のCさんの初任給は関西圏の相場では、いくらですか?

川西  「ズバリ! 実在 賃金」は、賃金を職位別に分析していますので、管理職のスカウト採用者の賃金もわかります。この場合は管理職扱いにするので、時間外手当を支給しないと思いますので、「賃金の総額」の相場を申し上げます。
 「ズバリ! 実在 賃金」(関西圏版)によりますと、「40歳 課長候補」は「賃金の総額」が「400000円 前後」が相場です。

社長  へえ、具体的に賃金の額がわかるのですね。随分参考になります。


◇ 川西のワンポイントアドバイス    初任給に色を付ける時は特別手当にする
川西  ところで社長さん、その幹部候補者の初任給の内訳はどうなりますか?

社長  かりに賃金の総額で400000円にする場合なら、当社の場合「基本給400000円」とします。そして1年後に査定の上で金額を決めて、内訳を定めます。

川西  そのように、いったん全額を基本給にする方法は、避けた方が良いでしょう。いわゆる"見込み外れ"もありますから、それを前提にした賃金の内訳にした方が良いです。例えば、次のような内訳はいかがですか?

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社長  何ですか? その特別手当とは?

川西  いわゆる調整手当です。雇用契約書を結んで、その中で「賃金の中の特別手当は、課長以上の幹部になることを期待して特別に上乗せして払うものである。採用1年後に査定の上で、再度見直すこととする」と特約事項を入れるようにオススメします。そんな特約事項があれば、賃金の見直しが比較的容易になります。


回答者は
大阪府吹田市    社会保険労務士リーガルパシフィック 川西 唯道氏


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