官公庁の出している賃金統計はどうも実態を表現していないようですが...
◆「本当かな?」と違和感を覚える公的な賃金統計
Q 私は中小企業を経営しています。いつも頭を悩ませているのは社員の賃金です。自分としては払っているつもりですが、社員からは「低い」「低い」と常に文句を言われています。社員は週刊誌や新聞に載っている一流企業の賃金や賞与の記事を読んで、それと比較したがるようですが、そんな比較では困りますので、私は「同業・同規模・同地域」の企業と比較して欲しいと言っています。しかし、残念ながら、そのような賃金の統計はあまりないようです。官公庁とか商工会議所などが出している賃金統計をみていても、われわれ中小企業の実感とはかけ離れたような高い金額になっています。私のような中小企業の経営者の参考になるような賃金統計はありませんか?
◆実際の賃金データをプロットして作成する「ズバリ! 実在賃金」
A 私事になりますが、著者は中小企業の賃金データを独自に集めた統計「ズバリ! 実在賃金」(商標登録)を作成しています。これは次のような特色があります。
- 【「ズバリ! 実在賃金」の特色】
- ・実際の賃金明細の数字をプロットしているので、着色なしの生の情報です。
- ・「横軸が年齢、縦軸が金額」になっていて、その上に無数の賃金データがプロットされているので、目で視る統計になっています。
- ・グラフは「年収」「賃金」「賞与」などがありますので、賃金水準を立体的に検証できます。
- ・グラフは業種別に作成できますので、自社の同業種との比較が可能です。
A 点は「黄点=オーナーではない取締役、黒点=部課長、青点=一般男性社員、赤点=一般女性社員」という形で、職位別・性別にプロットしてあります。
Q グラフにあるラインはどんな意味ですか?
A 「ズバリ! 実在賃金」のラインは、独自調査によるものが3種類で、部課長、一般男性社員、一般女性社員があります。またこのほかに役所の発表している公的統計のラインも同じグラフに引いてあります。
◆首都圏の中小企業に勤務する社員1万人超の賃金サンプル
Q この独自調査のデータですが、対象になっている企業は、どんなところですか?
A 平成18年度の賃金データですが、226社で、11,428人が含まれています。1社あたりの平均の従業員数は50人です。
◆公的統計と実態賃金とのズレは大きい
Q 独自調査によるところの首都圏版は、どんな賃金水準になっていますか?
A 「年収のグラフ」を例にあげれば次のような金額になっています。

Q それに対して公的統計では、どんな金額になっていますか?
A 50歳男性の場合で、以下のようなデータになっています。
○東京都の中小企業賃金・退職金事情=684万円(従業員10-299人の規模平均)
○厚生労働省の賃金構造基本統計調査=659万円(従業員10-99人の規模平均)
Q 独自調査の結果である「一般男性 50歳 500万円」と比較しますと、随分大きな差がありますね。
A 確かに大きな差異です。
Q なぜそこまで差があるのですか?
A 不明です。おそらく公的調査は「特別良い会社」の「賃金の高い人」が調査対象になっているのではないかと推察します。それから公的調査はアンケート用紙に記入してもらって回収する形ですが、その記入された数字が本当なのかどうかを疑問視する向きもあります。
◆東京・名古屋・大阪をカバーする「ズバリ! 実在賃金」
Q このようなグラフは、全国各地のものができているのですか?
A 今のところ、次のエリアをカバーしています。このエリアは順次拡大予定です。
首都圏版(東京都+千葉県+埼玉県+神奈川県)
関西版(大阪府+京都府+兵庫県)
愛知版
岐阜版
福井版
愛媛版
静岡版(平成20年8月完成予定)
◆東京よりも愛知の方が賃金が高い!
Q 東京は、やはり他地域よりも賃金が高いのですよね?
A 意外にそうでもないのです。例えば愛知と比べると、東京の方が賃金が低くなっています。
Q えっ、本当?
A 「50歳 一般男性」の年収は首都圏版では500万円でしたが、愛知版は550万円ありました。愛知県は時間外手当が多い、賞与が多いなどの理由で東京を上回っています。
Q 不思議ですね。一般的にはどんな統計をみても東京が全国で一番高いはずです。
A 東京は、大手企業がたくさんありますから高額所得者が多数います。その一方で、中小企業では低い所得の人が山のようにいるわけです。
Q まさに格差社会というわけですね。





